労働問題は「労働問題の事例と解決法」のセクハラとパワハラ問題

数々の民事訴訟

企業や団体での仕事上の考え方の違いによって起きるトラブルならば、それなりの対処方法を模索すれば解決できることが多いものです。しかしながら、企業の運営において決して無視できないトラブルとして、「セクハラ」と「パワハラ」問題が浮上してきています。
「セクハラ」については1980年代の終わり頃からマスコミに大きく取り上げられるようになり、数々の民事訴訟が起こされたことで、一定以上の判例が出ており、これをもとに各企業ではその対応策を作成し、就業規則にも盛り込むことが多くなりました。また、社員研修でもセクハラについての時間を割く企業も増えてきています。

セクハラの問題点

「セクハラ」はいうまでもなく「セクシャル・ハラスメント(sexual harassment)」という英語を省略した日本風の略語で、「性的嫌がらせ」と和訳されていますが、この日本語は本来のセクハラの意味を正確に表現しているとはいえません。
セクハラで真に問題なのは「男性社員が会社での自分の立場を利用して、女性社員に性的な言動をすることで、女性を窮地に陥れる」ことにあります。つまり、セクハラを受ける女性が「これを拒絶すると会社での自分の立場が危うくなる」という心理的な弱みにつけこんだ卑劣な行為、と定義することもできるでしょう。

上司・部下間で起きるパワハラ

セクハラは、主に上司である男性社員と部下である女性社員との間で起きるトラブルですが、2000年代になって社会問題化してきたのが「パワハラ」です。これは「パワー・ハラスメント(power harassment)」の略語です。この言葉でいう「パワー」とは物理的な力でなく「権力」を意味しています。
つまり、会社内での男女間の性的な行為が介在するセクハラという枠が社員全般に拡大した問題点ということができます。すなわち「上司と部下」という社内での立場の違いを利用して上司が部下に不当で理不尽な行為をするとうのが「パワハラ」で、この現象は以前からあったのでしょうが、日本経済が停滞期を迎えて以降に社会的によく取り上げられるようになりました。
ここでは、この「セクハラ」と「パワハラ」問題についての実態を解説しましょう。