労働問題は「労働問題の事例と解決法」のパワハラの実態

古くて新しい問題

「パワー・ハラスメント」略して「パワハラ」は、日本の社会では「古くて新しい問題」でもあるのです。パワハラを一言で定義するのは困難なのですが、上司が部下に無理難題を押し付けるという「職場イジメ」のような単純なものではなく、「パワハラを受ける側がそれを拒絶しにくい立場にいること」が最大の問題点といってよいでしょう。
上司の方は特に悪気はなく軽い気持ちであっても、パワハラを受ける側は、それが度重なると強いストレスを感じるようになっていきます。裁判に持ち込まれた実例では、被害者がうつ病やPTSDなどの精神疾患を発症し、その後の就労に大きな支障を生じている事実が数多く見受けられ、最悪の事態では被害者が自殺するという実例もあります。
パワハラもエスカレートすると肉体的暴力事件を上回る大事件に発展しかねないということがよく分かります。

リストラ手段としてのパワハラ

いわゆる「ブラック企業」と呼ばれる悪質な体質を持つ企業では、従業員を自主的に退職させる手法として、管理職が日常的にパワハラを行っていることが報告されています。企業側の不利益なる「会社都合での解雇」にしたくない企業が、この方法で従業員をリストラするという構造です。
不況下で非正規雇用者が激増した2000年代以降に、この傾向が顕著になり、一気に社会問題化していきます。以前なら、大半の被害者は泣き寝入りという状況でしたが、派遣斬りの嵐が吹き荒れ、雇用側の理不尽な対応に対し批判の声が高まると同時に、パワハラの被害者たちも自己主張をするようになり、日本社会の病根として知られるようになりました。

パワハラの本質をしるべし

企業の幹部もパワハラ対策に力を注ぐようになってきていますが、「どの手程度までがパワハラになるのか、その線引きが難しい」という管理職も少なくないようです。つまり、自分は部下を叱咤激励するつもりで怒鳴ったのに、それをパワハラと受け取られると困る」というところでしょう。
問題は、部下が上司に一切反論できない空気を作ってしまうことの恐ろしさにあります。部下にとっての管理職は想像以上の権力者であることを認識しておく必要があるでしょう。