労働問題は「労働問題の事例と解決法」のセクハラ対策の取り組み

セクハラは憲法違反の人権問題

セクシャル・ハラスメントすなわちセクハラ問題を考える上で最も重要なのは、企業の経営陣がセクハラ防止対策の重要性について、どれほど認識しているかという点につきるでしょう。セクハラは、社内での地位を利用し、弱い立場の女性を思いのままにしようとする卑劣な犯罪行為であり、被害者にとっては多大な人権問題であるとの認識を持つことが経営側には求められます。
日本では戦前から続く男尊女卑の風習が企業にも持ち込まれ、女性社員は男性社員のサポート役に過ぎないという認識が根強く残っていました。
戦後もこの誤った風潮は続いていたのですが、1986年4月に導入された「男女雇用機会均等法」がきっかけとなり、日本国憲法の謳う「男女平等」の精神を企業にも徹底させなければならないという機運が盛り上がりました。

個人ではなく企業の問題

女性の社会進出が顕著となり、それまで泣き寝入りしていた女性社員が次第に声をあげ始め、法廷に持ち込まれる事件も増えてきたことから、企業のセクハラは社会問題化するに至ります。密室でのやり取りは法廷で第三者が真相を知ることは困難なのですが、被害者の日記などが証拠採用されてセクハラ認定される事例が多く見受けられます。
単に従業員同士の問題ではなく、企業の経営側がセクハラ防止についてその対策を十分に講じていなかったことに対し、事業者としての責任を認定し、被害者への賠償を課した裁判の判例も少なからずあります。

事前調査と対応策

年ごとに増加するセクハラ問題が、マスコミなどにたびたび報道されると企業にとっても大きなマイナスイメージを被ることになります。特に女性層を顧客とする企業体では、その損害が金額では計れないものがあるといえるでしょう。
これから企業で働く側は、その企業がセクハラ対策に真剣に取り組んでいるかどうかを事前に調べておく必要があるでしょう。そして企業の幹部は、企業の存続を危うくしかねないセクハラ問題を未然に防ぐ方策を整備しておく必要があることはいうまでもありません。さらに、単に就業規定などにセクハラ対策を盛り込むだけでは不十分で、従業員にセクハラが大きな犯罪であることを周知徹底するべきでしょう。