労働問題は「労働問題の事例と解決法」の雇用者と被雇用者間のトラブル

「企業の憲法」たる「就業規則」

日本では、10名以上の労働者を常時雇用する企業には「就業規則」を作成することが「労働基準法」にて定められています。この就業規則は、従業員の代表者の意見書を添付して「労働基準監督署」に届け出ることになっています。
つまり企業を経営する側の雇用者と現場で仕事をする被雇用者側との合意事項と規定事項が網羅されている、いわば「企業の憲法」といえる存在が就業規則であるといえるでしょう。就業規則には、企業の運営上起こりうるさまざまな条項が各項目別に並べられており、それらは事細かな条文が記載されています。

過去に発生した労使間のトラブルや法的な係争案件と、法定で決着した判例をもとに構成されていることが大半で、就業規則は雇用者と被雇用者とのトラブルを未然に防ぐための契約規定書類ということができます。
すなわち、この就業規則どおりに企業の運営がなされ、従業員もその規定を遵守し、あるいは従業員としての権利を正当に享受できていれば、労使間トラブルはほとんど発生することがないといえるほどなのです。

問題が発生しやすい中小企業

しかしながら、そういう理想どおりにうまくいっていないのが残念な日本の企業の現状のようです。欧米先進国に比較しても、日本は労使間トラブルが多い国であると指摘されています。長引く不況の時代も背景にあるといえますが、労働問題は戦前から続く日本の国家的課題であり続けています。
これは、日本の経済の発展が中小企業の存在に依拠していることが要因として挙げられます。従業員が100人に満たない規模の中小企業では、業務の完遂について、従業員の労働環境が悪くなる傾向があります。就業規則どおりにやっていては成り立たないということで、経営側が従業員に規定を超える労働を強いるという現実があるのです。そして、その労働に対する正当な報酬や適切な休息や休日が与えられないという問題が生じてくるのです。

雇用者側の法令遵守の意識の低さが最大の原因ですが、被雇用者側も自分の置かれている立場を正確に認識しておく必要があるでしょう。ここでは労使間でよく起きるトラブルの実例と、その対処法を紹介しましょう。